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産業廃棄物収集運搬業許可取得のポイント

収集運搬する産業廃棄物の種類を決めたうえで、許可申請のご準備を始めていきましょう。

産業廃棄物収集運搬業の許可取得の第一歩は、収集運搬する産業廃棄物の種類が何であるかを明確にすることです。
収集運搬する産業廃棄物がわかっていなければ、許可取得要件を満たせるか否かの判断ができません。

産業廃棄物収集運搬業(積替・保管を除く)の許可取得のポイントは、収集運搬する産業廃棄物を運搬する能力を申請者自身が有していることです。

具体的には、『施設に係る基準』、『申請者の能力に係る基準(知識・技能、財政的能力、欠格要件)』を満たしたうえで許可申請を行うことです。

許可基準は、都道府県により異なりますので、産業廃棄物収集運搬業の申請準備を開始する場合には、申請する都道府県ごとの許可基準をよく理解しておくことが必要となります。

下記の各項目をクリックしていただき詳細な情報をご確認ください。

運搬車両・運搬容器を有していること

申請する産業廃棄物を収集運搬するために必要な運搬車両、運搬容器を有している必要があります。

運搬車両の使用権原があること

自動車検査証(見本)

申請日において、申請登録する運搬車両について、申請者が使用する権限を有している必要があります。

自動車検査証で使用者欄をチェックしてください。

運搬車両の使用権原は、自動車検査証の所有者又は使用者の欄で確認します。東京都の場合、使用権原があると認められるのは次の場合のみであり、借受車両(レンタル車両)の登録は認められていませんので注意が必要です。

①自動車検査証の使用者が申請者と一致している場合
自動車検査証の使用者欄が空欄で、所有者と申請者が一致している場合

つまり、東京都では購入済車両(自社所有車両)やリース車両でないと、運搬車両として使用できないということです。

神奈川県、埼玉県、千葉県などでは、自動車検査証上は使用権限が確認できない、いわゆる借受車両(レンタル車両)であっても、1年以上の賃貸借(若しくは使用貸借)期間の契約車両であれば登録を認めています。

借受車両(レンタル車両)とは、自動車検査証上の使用権限を有する者から借りている車両を言います。

借受車両の場合は、『自動車検査証上の使用者』と『許可申請者』間の車両の賃貸借(若しくは使用貸借)契約書が必要です。
自動車検査証上の『使用者』と『所有者』が異なる場合は、車両の賃貸借(若しくは使用貸借)契約について所有者が承諾していることを証する書類も必要となります。
県によっては他の追加書類も必要となる場合があります。

登録できるからといっても、運搬車両を第三者から借りて産業廃棄物収集運搬業を行うことは、個人的には推奨しておりません。

なお、他者が貨物運送事業に使用している車両(緑ナンバー)の賃貸借(レンタル)による登録は原則出来ませんのでご注意ください。

都県別の借受車両登録の可否(平成30年4月現在)
 東京都神奈川県埼玉県千葉県群馬県栃木県茨城県
借受車両登録の可否不可

運搬車両についてのその他のチェック事項

  1. 自動車検査証の有効期間が申請日時点で有効であること
    車検切れの車両は登録申請できません。
  2. ディーゼル車規制(走行規制)不適合車両でないこと(ディーゼル車で、用途が「乗用」以外の場合は確認が必要)
    東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県では、ディーゼル車両(ディーゼル乗用車を除く)はPM(粒子状物質)の排出規制が行われ、排出基準に満たない車両は上記都県を走行できないため登録できません。この場合は、買い替えまたは粒子状物質減少装置(DPF)を装着しなければなりません。
    古い車両を使用する場合は注意が必要です。
  3. 運搬車両の使用の本拠が、自動車Nox・PM法の適用される対策地域内の場合、運搬車両が排出基準に適合していること
    使用の本拠がNox・PM対策地域内にある場合、使用車種規制(Nox・PM)に適合していない車両は登録できません。自動車検査証の備考欄をご確認ください。
  4. 汚泥、ガラス・コンクリート・陶磁器くず、鉱さい、がれき類は「土砂等禁止」
    の車両では収集運搬できません。(根拠法:土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法)

    自動車検査証の備考欄に、「土砂等積載禁止車両」である旨の記載がある場合には、汚泥、ガラス・コンクリート・陶磁器くず、鉱さい、がれき類は運搬できませんので注意が必要です。
  5. 塵芥車(パッカー車)で、「がれき類」、「石綿含有産業廃棄物」、「水銀使用製品等産業廃棄物」、「水銀含有ばいじん等」を運搬することはできません。
    ※ブレードが壊れる原因となることから、パッカー車で運搬できる産業廃棄物を廃プラ、紙くず、繊維くず、動植物性残さの4品目に限定している自治体もあります。
自動車検査証見本
土砂等禁止車両(土砂禁ダンプ)とは

一見すると大量の土砂等を運送できそうに見える、荷台に高い「あおり(荷台を覆う囲い)」を搭載したタイプの深ダンプが、土砂等の積載を禁止された土砂禁ダンプです。

荷台のあおりが高ければ、積載容積が大きくなります。積載容積の大きい深ダンプで、通常のダンプと同じように比重の高い土砂などを運搬すれば、当然に過積載のおそれが高くなります。
過積載による事故防止を目的として、深ダンプによる土砂等の積載を法律で禁止しているわけです。

深ダンプに積載可能な積み荷は、空のペットボトル、空の発砲スチロール、木材を粉砕したウッドチップといった嵩張る割に重量の軽いものになります。

運搬車両についてのご質問

軽自動車や乗用車でも登録できますか?

はい、登録可能です(平成28年4月現在)。

軽自動車であっても産廃業の車両として申請登録できます。
また、用途が『乗用』となっている車両であっても登録の制限はありません。
同業者のサイトの中には『乗用車』は登録できないと説明しているものが見受けられますが、都道府県により異なります。
少なくとも東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県においては登録制限はされておりません。

早く許可申請をしたいが、運搬車両の用意が間に合わないような場合は、とり急ぎ現存する乗用車で登録して、許可取得後に運搬車両の変更届を出すといった方法もあります。

ただし、乗用車の場合は収集運搬する産業廃棄物の種類や運搬量などに整合性があるかをよく確認しておく必要があります。例えば『汚泥』は基本的に運搬車両への直積みは認められないのでドラム缶などの容器との併用が必要となるわけです。そうするとドラム缶などの容器が本当に積めるのか?という疑問が生じます。

また、1ヶ月に運搬する産業廃棄物の運搬量を事業計画書に記入しなければならない県もあります。乗用車の積載量と運搬量に整合性がなければ、やはり疑問が生じます。

許可申請時には、運搬車両や容器の写真も添付することになりますので、そのあたりをくれぐれもご注意ください。

ディーゼル車規制(走行規制)とは何ですか?

各自治体の条例によりPM(粒子状物質)を規制対象とし、排出基準値に満たないディーゼル車両の走行を禁止するものです。

ディーゼル車規制の対象車種であっても、粒子状物質減少装置を装着済みで、粒子状物質装置装着証明書の交付を受けている(車両には粒子状物質減少装置装着済みステッカーを貼付している)車両であれば走行できますが、そうでないディーゼル車両(乗用車以外)については、事前に各自治体又はメーカーに確認しておく必要があります。

自動車検査証の型式欄のアルファベットの符号などで確認できます。

K-、N-、P-、S-、U-、W-、KA-、KB-、KC-』は規制対象となっています。

『KE-、KF-、KG-、KJ-、KK-、KL-、HA-、HB-、HC-、HE-、HF-、HM-』も規制対象ですが、車両によっては規制に適合している車両があります。

上記の自治体のディーゼル車規制と似た大気汚染対策の規制に『国の自動車NOx・PM法』による車種規制があります。

こちらはNOx(窒素酸化物)・PM(粒子状物質)を規制対象とし、排出基準に満たない貨物・乗合・特殊用途自動車(燃料の種類は問わない)、ディーゼル乗用車に対して車検制度による規制(排出基準に満たない車両は、国の定めた対策地域内では新規登録、車検継続できない)をするものです。

運搬容器

産業廃棄物の収集運搬は、飛散・流出及び悪臭が発散するおそれのない方法で行う必要があります。

そのため、一般的な車両では飛散・流出及び悪臭が発散するおそれがある産業廃棄物については、運搬車両への直積みによる収集運搬が認められないものもあります。

そうした場合は、その産業廃棄物を収集運搬するための「運搬容器」が必要となります。

[運搬容器の例(自治体により違いがあります)]
産業廃棄物の種類

容器

なし(直積み)

フレコンバッククローズドラム(鉄製)蓋付オープンドラム(鉄製)クローズケミカルドラム蓋付オープンケミカルドラムポリタンク

コンテナ(鉄製)

燃え殻    ※2
汚泥     ※2
廃油   
廃酸     
廃アルカリ     
廃プラスチック類   
紙くず   
木くず   
繊維くず   
動植物性残さ     ○※2
ゴムくず   
金属くず   
ガラ陶○※1   
鉱さい    ○※2
がれき類○※1   
動物のふん尿      
動物の死体     ○※2
ばいじん    ○※2
石綿含有産業廃棄物 ○※3      

表中の「○」は、その品目が運搬できる組合せ、「○」以外の組合せ及び例にない容器については、追加資料が必要な場合があります。

※1 土砂等運搬禁止車両の場合は、容器が必要です。
※2 密閉コンテナに限る。非密閉コンテナであっても、全面シート掛けし、飛散流出しないのであれば可とする自治体もあります。
※3 石綿含有廃棄物のうち、石綿含有汚泥については「排出時に厚さ0.15mm以上の耐水性のプラスチック袋等により二重こん包された荷姿のまま運搬すること

<その他の留意事項>
1 車両の構造により、液状の廃棄物を容器なしで運搬する車両(清掃車、糞尿車、タンク車など)を使用する場合は、容器不要です。
2 本来、容器を必要とする場合でも、飛散・流出防止対策を講じた対策や特殊仕様の車両で運搬することにより、容器不要で収集運搬できる場合があります。

[飛散・流出防止対策を講じることにより容器なしで収集運搬できる一例]
産業廃棄物の種類運搬車両
汚泥、動植物性残さ、動物の死体水密仕様ダンプ、密閉コンテナ車(内側にゴム張り)
廃油タンク車
廃酸・廃アルカリ耐腐食性のタンク車
燃え殻、ばいじん、鉱さい水密仕様ダンプ、密閉コンテナ車(内側にゴム張り)
動物のふん尿タンク車
汚泥(脱水後のものに限る)ダンプ、コンテナ車等に直積みして、シート掛け

駐車場の使用権限があること

神奈川県、千葉県は確認書類必須。東京都は不要、埼玉県は原則として不要です。

申請者が駐車場に係る土地の所有者である場合は、当該土地の登記事項証明書、申請者以外が所有者である場合は、賃貸借契約書等で申請日における使用権限を証明します。

県によって賃貸借契約等の提出書類に違いがありますので注意が必要です。

都県別の駐車場の使用権限を証する書類の要否
 東京都神奈川県埼玉県千葉県群馬県栃木県茨城県
駐車場の使用権限を証する書類の要否否*1要*2要*3

*1 埼玉県では借受車両を登録しようとする場合は、駐車場の使用権限を証する書類等が必要となります。駐車場の使用権限が賃貸借等の場合は賃貸借等の期間が申請日において1年以上あることが必要です。
*2 使用権限が賃貸借等の場合は賃貸借等の期間が申請日において1年以上あることが必要です。
*3 他者から借りている場合は、賃貸借契約書等の写しの他に、土地の不動産登記事項証明書の添付も必要です。

有効期間内の講習会修了証を有していること

要注意!講習会を修了すべき者と有効期間

講習会修了証(見本)

申請者の能力に係る基準として、許可申請日において、申請法人の代表者、業務を行う役員(監査役を除く)又は政令第6条の10に規定する使用人(政令使用人)のうち、少なくともいずれかの1名有効期限内の産業廃棄物処理業の講習会修了証を有している必要があります。


講習会は、公益社団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)が実施していますが、実際に開催するのは各都道府県に置かれている社団法人産業廃棄物協会となります。

講習会には、『新規課程の講習会と更新課程の講習会』があり『新規課程の講習会』には『産廃の収集・運搬課程』と『特別管理産廃の収集・運搬課程』、『産廃の処分課程』と『特別管理産廃の処分課程』などのカテゴリーがあります。
『更新課程の講習会』には『産廃又は特管産廃の収集・運搬課程』、『産廃又は特管産廃の処分課程 』などのカテゴリーがありますので受講すべき講習会を間違えないようにご注意ください。

産業廃棄物収集運搬業の新規の許可申請に必要となる講習会の修了証は、『新規課程の講習会』の『産廃の収集・運搬課程』又は『特別管理産廃の収集・運搬課程』の修了証です。

したがって、新規の許可申請に際し『更新講習会』の修了証では認められないのですが、例外が一つあります。
申請者が既に他の自治体で産業廃棄物収集運搬業又は特別管理産業廃棄物収集運搬業の許可を有している場合、更新の修了証でも差し支えありません。

新規講習会の修了証の有効期間は5年間、更新講習会の修了証の有効期間は2年間です。

講習会は、各都道府県の社団法人産業廃棄物協会が開催したものであれば、全国の都道府県で有効です。

添付する講習会の修了証
許可の区分許可申請する収集運搬業の区分新規課程講習
(5年間有効)
更新課程講習
(2年間有効)

産業廃棄物

収集・運搬課程講習

特別管理
産業廃棄物

収集・運搬課程講習

産業廃棄物又は

特別管理産業廃棄物

収集・運搬課程講習

新規

許可

産業廃棄物収集運搬業○*1○*1
特別管理産業廃棄物収集運搬業○*1

更新

許可

産業廃棄物収集運搬業
特別管理産業廃棄物収集運搬業

変更

許可

産業廃棄物収集運搬業○*2
特別管理産業廃棄物収集運搬業 ○*2

表中の許可の区分、許可申請する収集運搬業の区分ごとに○が付されているものが必要な講習です。
*1 他自治体で既に収集運搬業の許可を取得している場合は、更新課程の講習会の修了証でも構いません。
*2 現在の許可(新規又は更新許可)を受けた際の講習会受講者が、現在も引き続き代表者、役員又は令第6条の10に規定する使用人(政令使用人)であれば、有効期限を過ぎた修了証であっても添付書類とすることができます。

新規課程の産業廃棄物 収集・運搬課程の講習会について
項  目内    容備    考
実施機関公益社団法人日本産業廃棄物処理振興センターhttp://www.jwnet.or.jp/index.shtml
開催機関

都道府県ごとに置かれている

社団法人産業廃棄物協会

自治体ではありません。

都道府県により名称は異なります。

実施時期

東京は2ヶ月に1回程度

ローカル県では数ヶ月に1回程度

全国どこの講習会でも有効です
申込方法

WEB申込又は

書面申込

WEB申込は日本産業廃棄物処理振興センター

書面申込は産業廃棄物協会

受講料3万円程度WEB申込割引有

受講すべき者

法人の代表者、業務を行う役員(監査役を除く)又は政令第6条の10に規定する使用人(政令使用人)のいずれか政令第6条の10に規定する使用人(政令使用人)とは、本店又は支店の代表者で、産廃業に係る契約締結権限を有する者をいいます
修了条件2日間の講習会を受講し、修了試験に合格すること日本語がわかれば合格できます。
再試験は2回まで受験可
修了証交付までの期間講習会終了後2週間程度 

講習会についての留意事項(令和2年12月現在)

令和2年12月現在、新型コロナウィルス感染症感染拡大防止のため、「産業廃棄物又は特別管理産業廃棄物処理業に関する講習会」(以下「通常講習会」という。)の開催が中止され、現在、オンラインを活用した暫定講習会(以下「暫定講習会」という。)が開催されているところですが、受講可能な人数が限られているため、処理業の許可更新期限までに通常講習会又は暫定講習会を修了できないケースが想定されます。

このため、許可申請の際の添付書類とされている有効期間内の講習会の修了証の取扱いについて、各自治体ごとに代替措置が講じられています。

*12月現在の措置ですので予告なく変わる場合もあります。申請前に各自治体への確認が必要です。

(公財)日本産業廃棄物処理振興センター講習会日程

【各自治体の代替措置】
 申請時に通常講習会又は暫定講習会の修了証を提出できない場合
東京都誓約書を提出。修了証は講習会受講後にご提出
神奈川県誓約書を提出。修了証は講習会受講後にご提出
埼玉県誓約書を提出。修了証は講習会受講後にご提出
千葉県誓約書を提出。修了証は講習会受講後にご提出
群馬県

・更新許可申請:理由書を提出。修了証は講習会受講後にご提出

・新規許可申請:再開後の講習会を修了してから申請

栃木県

・更新許可申請:修了証は講習会受講後にご提出

・新規許可申請:再開後の講習会を修了してから申請

茨木県

・前回の申請(新規、更新または変更)の際に添付した講習会修了証と申立書を提出。修了証は講習会受講後にご提出

・新規許可申請:再開後の講習会を修了してから申請

*許可証の交付は修了証の提出以降になります。

*更新許可申請を行う方で上記に該当する方は、講習会の修了証の提出がない場合においても、みなし許可により引き続き産業廃棄物処理業を行うことができます。

経理的基礎を有すること

申請者の能力に係る基準として、事業において利益が計上されず、かつ債務超過状態にある申請者は、許可の要件に適合しないという考え方があります。

理由としては、債務超過だからすぐに倒産するという訳ではありませんが、赤字(欠損)が累積している結果であることから、債務超過の状態が続くことは経営的に不安定でかなり悪化している状態であると言えます。また、全ての資産を処分しても、債務を全て返済できない恐れが高いことから、新規の融資等を受けることが難しくなります。

産廃業者の経営の赤字体質は、中間処理施設や最終処理施設に支払うコストを浮かせようと、収集した産業廃棄物の不法投棄につながりますので、会社の財務状況は大変厳しくチェックされます。

債務超過や経常利益、当期純利益がマイナスの場合は、追加書類の作成が求められます。
余分な書類作成コストがかかるだけでなく、不許可になるリスクが高くなりますから要注意です。

都道府県により異なりますが、新規許可申請や更新許可申請の際に、会社の財務状況が基準を満たしていない場合は、通常の申請書類の他に中小企業診断士・公認会計士・税理士等が作成した財務診断書などの追加書類の提出を求められます。

都県別の追加書類が必要なケース
 追加書類が必要なケース必要な追加書類
東京都直前期の法人税の納税額が「0円」又は 直前3期に未納税額があり、かつ直前期において債務超過であり、債務超過額以上の返済不要な負債がある場合返済不要な負債の額及びその負債が返済不要であることが分かる書類(任意書式)
直前期の法人税の納税額が「0円」又は 直前3期に未納税額があり、かつ直前期において債務超過であり、債務超過額以上の返済不要な負債がない場合中小企業診断士、公認会計士又は税理士により作成された「経理的基礎を有することの説明書」
埼玉県

法人で直前期において債務超過である場合

財務実績(直前3期分)・計画書(今後5期分)
法人で直前期において債務超過であり、かつ直前期の経常利益及び直前3期の経常利益の合計のいずれも「-」の場合①財務実績(直前3期分)・計画書(今後5期分)
中小企業診断士又は公認会計士により作成された「財務診断書」(直前3期分及び今後5期分)
神奈川県基準は公表されていない。
直前期において債務超過であり、かつ
直前3期の経常利益の平均が「-」及び直前3期のうちいずれかの期に法人税の納税額「0円」若しくは未納税額がある場合は、作成を求められる可能性が高い
収支計画書(今後3期分)
千葉県法人で直前期において繰越利益剰余金が「-」の場合収支計画書(今後3期分)
群馬県法人で直前3期連続赤字(税引前)又は直前期において債務超過(貸借対照表の純資産額がマイナス)の場合5年間の収支改善計画書
法人で直前3期連続赤字(税引前)及び直前期において債務超過(貸借対照表の純資産額がマイナス)の場合中小企業診断士の経営診断書
栃木県法人で直前期において債務超過又は、直前期の当期純利益若しくは直前3期の当期純利益の平均が「-」の場合その理由と改善策を記した今後5年間の収支計画
法人で直前期において債務超過であり、かつ直前期の当期純利益及び直前3期の当期純利益の平均がいずれも「-」の場合中小企業診断士、公認会計士、税理士又は行政書士(行政書士は、栃木県行政書士会が行う産業廃棄物収集運搬業許可申請に係る診断書作成特別研修会修了者で、当該許可申請書の作成又は申請の代理を行う行政書士とは別の行政書士に限る。)が作成した診断書類並びに当該診断書類に基づく改善策及び今後5年間の収支計画を記載した書類
茨城県法人で直前期において債務超過である場合収支計画書(今後5期分)
個人で「資産に関する調書」の負債の額が資産の額を上回る場合

直前3年間の確定申告書の写し

直前3年間の所得金額の平均が赤字である場合は、加えて、収支計画書(今後5年分)

法人で次の条件の全てに該当する場合

直前の決算期で自己資本比率10%以下

②過去3年間の損益平均値が赤字

③直前の決算期で当期純損失が発生している場合

損失の理由及び改善計画書

*債務超過:負債の総額が資産の総額を超える状態(貸借対照表の純資産の合計がマイナスの場合)

*赤字:損益計算書の税引前損益がマイナス(-)

*繰越利益剰余金:設立から直前期までの通算損益

自己資本比率:貸借対照表の「純資産の合計」を「負債及び純資産の合計」で除し得た数値

*損益平均値:当期純利益及び当期純損失の平均

許可の欠格事由に該当しないこと

要注意!意外と見落としがちな欠格事由

法に従った適正な業を遂行することができない者(破産者、所定の刑罰等に処せられたことがある者、暴力団員、その他)を規定しており、その許可の欠格事由に該当する場合は、審査以前の問題として門前払いとなります。

申請法人だけでなく、申請法人の役員(取締役、執行役、相談役、顧問、法人に対して業務を執行する社員、発行済株式総数の100分の5以上の株式を有する株主又は100分の5以上の出資をしている者を含む)、政令第6条の10に規定する使用人(政令使用人)の中に、欠格事由に該当する者が一人でもいる場合は、産廃業の許可を受けることはできません。

当事務所にお申込みいただく方の中には、年間数件該当するケースがあります。
お申込み前によくご確認ください。
内容によっては対応可能なケースもございますので、あきらめずにご相談ください。

 

 欠格事由の内容実際にあったケース
成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ない 者 
禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない 

次に掲げる法律の規定若しくはこれらの法令に基づく処分に違反し、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない

①廃棄物処理法
②浄化槽法
③大気汚染防止法
騒音規制法

⑤海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律
⑥水質汚濁防止法  
⑦悪臭防止法
⑧振動規制法
⑨特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律
⑩ダイオキシン類対策特別措置法
⑪ポリ塩化ビニフェル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法

 

    
暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律 (第32条の3第7項及び第32条の11第1項を除く。)の規定に違反し、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者      

次に掲げる法律の罪を犯し、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない
①刑法第204条(傷害罪)

刑法第206条(現場助勢罪)

刑法第208条(暴行罪)

刑法第208条の2(凶器準備集合及び結集罪)

刑法第222条(脅迫罪)

刑法第247条(背任罪)の罪

⑦暴力行為等処罰ニ関スル法律の罪     

4年前に酒の席でケンカになり、相手にケガをさせ傷害罪で罰金を支払っていた

次に掲げる事業の許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない(許可を取り消された者が法人である場合は、取消し処分に係る聴聞の通知があった日前60日以内に当該法人の役員であった者を含む)

①一般廃棄物収集運搬・処分業の許可
②産業廃棄物収集運搬・処分業若しくは特別管理産業廃棄物収集運搬・処分業の許可
③浄化槽清掃業の許可

申請法人の代表取締役が、3年前に産廃業の許可を取り消された法人の役員になっていた
次に掲げる事業の取消し処分に係る聴聞の通知があった日から取消し処分をする日又は処分しないことを決定する日までの間に当該事業の廃止の届出をした者で、その廃止の届出の日から5年を経過しない者(廃止の届出をした者が法人である場合は、取消し処分に係る聴聞の通知があった日前60日以内に当該法人の役員であった者を含む)
①一般廃棄物収集運搬・処分業の許可

②産業廃棄物収集運搬・処分業若しくは特別管理産業廃棄物収集運搬・処分業の許可
③浄化槽清掃業の許可
 
その業務に対し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者      
暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者     都道府県公安委員会に暴力団員として登録されていた(審査過程で発覚)
10暴力団員等がその事業活動を支配している場合      

*刑の執行を終えた日とは、禁錮以上の刑の場合は刑期を満了し監獄から出獄した日、罰金刑の場合は罰金を納付した日をいいます。
*刑の執行を受けることがなくなった日とは、①仮釈放後の残刑期間経過、②刑の時効成立、③恩赦による『刑の執行免除』などをいいます。

欠格事由についてのご質問

執行猶予付きの判決を受け、1ヶ月ほど前に無事、執行猶予期間を満了しましたが、産廃業の申請には5年間待つ必要がありますか?

いいえ、欠格事由には該当しませんので申請可能です。

執行猶予期間の満了により、刑の言い渡し自体の効力がなくなりました。
執行猶予期間の満了は、執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日のいずれにも該当しませんので、5年間の経過を待つ必要はなく、執行猶予期間満了日の翌日から申請可能となります。